sachi LOG

認定NPO法人D×P(ディーピー)で広報・マーケ・ファンドレイジングをやりつつ、オカン業もやっている入谷佐知の日々のログです。ブランド経営コンサルタントの師匠の元で修行したのち、現職。

2013年のレビューと、転職のこと・前職で学んだこと。

12/31ですね。

ちょっと年内に書いておきたかったことをつらつら書きます。

まとまりはありませんので要注意。

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(前職の皆様からいただいたプレゼントの数々)

 

私の2013年は、7月末にブランド戦略コンサルの仕事を卒業し、(というか、師匠・岡本佳美さまの元を離れて)9月からNPO法人D×P(ディーピー)の広報担当として働き出した年です。私が、転職した理由はたくさんあります。どの理由一つ欠けても成立しないので、これが一番の大きい理由!と言い切れず、「なぜアムを卒業したの?」「なぜD×Pに転職したの?」という質問に、どうも歯切れ悪く受け答えしていたように思います。(なので、詳しく知りたい方はじっくり聞いてやって下さい・・)

 

実は今年、私が最も悩んだのは、

「現場にいたい、昔のように現場にいる自分が一番しっくりくる」という自分と

「広報も、ブランド戦略も、めっちゃおもしろい!」という自分との、戦いでした(笑)

 

前者はいわゆる”支援者”的立ち位置。後者はどっちかっていうと、現場にいないバックオフィス的立ち位置。当然両方を受け持つハイブリッド型人財は、もちろんあり得ます。

ただし、どちらも非常に専門性が問われますし、何より子持ちの私には、仕事にかけられる時間自体が限られています。「いま20代の自分がどちらに舵を切るのか」はすごく悩みました。それは、2012年12月ごろから、5月ごろまで、妙に、悩みに悩んでいたような気がします。

 

でも、結局落ち着いたのは、

「広報も、ブランド戦略も、マーケティングも、全然自分には合わない仕事だと思っていたけれど、やってみたらすごく面白い仕事だった。この仕事を、もっとやってみたい。もっとやって価値を出したい。できれば、コンサルという立場じゃなくて、現場を持つ団体の中の人として、広報やブランド戦略をやってみたい。」

というところでした。

 

師匠にも「さっちんは、完全に"支援者"属性だよね」と言われ続けていたのでほんとに、いまだに、この選択をした自分自身が不思議です。(いまは完全に広報担当としてバリバリ動いているので、たぶん、D×Pの人たちはこの話をしたら驚くに違いない)

 

前職は、ええ、美化はできませんよ(笑)、やっぱりとてもつらかったです。レベル80くらいの師匠と、レベル15くらいの自分を比べては絶望する日々でした(笑)でも一方で、ブランド戦略の仕事の面白みも実感していました。特に、師匠のいる東京から離れて、京都で遠隔で仕事をしてから。一人でブランド戦略の仕事について、様々な人に説明する機会が増えて、よりブランド戦略の仕事の面白さを客観視し、実感するようになりました。

あー、この仕事って、なんて面白いんだろう。と。

 

自分のできなさ加減を思うと情けなくて苦しくて涙して吐くほどの日々だったけど、一方でものすごい面白みを感じていて、もっとこの仕事の本質を実現できる自分でありたいと思うようになりました。

 

そして、たまたま、同時期に、D×Pの共同代表の今井に出会い、朴に出会いました。彼らと何を話したのか今となっては覚えていないけれど、とにかく、組織に対する多大なる覚悟と、世界にもひけをとらないインパクトを出せる団体にしたいという想いだけは伝わってきました。そして、広報やブランド戦略の知見を求めていることもわかりました。彼らと出会うことで、「彼らといっしょに、チームで仕事をしてみたい」という気持ちが湧きました。

 

それ以外にも本当にたくさんの要因が積み重なって、ポンポンポン、と吸い寄せられるように、D×PにINすることになったような気がします。(ちなみに、これら選択のひとつひとつに、師匠は全て親身に相談に乗ってくれています。アムを卒業すると決まったあとも、D×P以外の様々な選択肢をホワイトボードに書きだしてくれ、「D×Pに行くのが一番いい選択かもね!」と一言・・・。)

 

 

そして。

 

D×Pで仕事をするようになって3ヶ月。師匠の壮絶なフィードバックなしで仕事をするのは、初めてです・・。若干緊張しつつも、面白いなあと思うのは、日々D×Pで仕事をするなかで

「これ、師匠だったら絶対こうするわ」

「これ、師匠に見せられない資料のクオリティだな」

と考えていること。

師匠視点がインストールされてる自分がもう一人いて、その自分が冷静に指摘してくれる。「魚の釣り方を教わる」とは、こういうことなのかなと思います。

 

師匠から、ちょっとやそっとじゃ崩れない大事なことを、仕事を通じて教えてもらったのだと思います。仕事への姿勢、起きた事象への解釈の仕方、徹底的な顧客視点と、クオリティの高さ。

"人を育てる"に答えはありません。

だからきっと、師匠も、私を育てながらたくさんたくさん悩んだと思います。私は、しかし、これから10年、20年と、この世界を泳いでいくための基礎となるものを、師匠から叩きこんでもらったと実感しています。改めて得難いものを受け取ったと痛感します。

 

最後に、私が前職での仕事を通じて学んだことの、まとめを下記に記します。誰かの何かの役に立てばいいな、と思いながら。※私が今年の夏に師匠にメールで送った「学んだこと」のまとめメールをコピペです。

 

 

▼そもそも、社会人として、一人の人間として。

※師匠の仕事の姿勢や言葉、実際に仕事をしながら学んだこと。

 

1)「目的はなにか?」を問い続ける。目的を見失わないこと。

 

2)「どうやったらできるか?」を問い続ける。(「できなかった」ではなく、目的を達成するためにどうしたらできるようになるか?を常に考え続ける。)

 

3)いまある困難は、今の自分だから与えられたもの。(「限界を感じたら、イノベーションのチャンス。」)

 

4)正直であること、ごまかさずに伝えること。そこに突破口はある。間違いを犯したら、その状況報告を過小評価しない。正直に、大切な人に伝える。

 

5)失敗は仕組み改善のチャンス、再発防止のための仕組みを考える。「なぜそれが起きたのか?」は、当人を責めるためではなく、未来のためにある。

 

6)「顧客にとってのベネフィットとはなにか?」を問い続ける。

 

7)働き方も、生き方も、実はいろんなオプションがある。目的に応じて、どんなふうにもなれる。端から見ると驚くべきオプションも、ほんとうは、実現できる。なんにでも、なれる!

 

 

マーケティング/ブランド戦略の現場で学んだこと。

1)「未来」を考えるために必要なのは、「過去」と、「現在」。

 

2)つまり、「未来」への答えは、顧客が既に持っている。

 

3)だから、徹底的に顧客が持つ情報を集める。

 

4)だから、徹底的に情報を集めるけれど、しかし、情報は、ただのTIPS。情報と情報を、つなげては外し、つなげては外しの繰り返しのなかでストーリーをつくっていく。データや数字であっても、ストーリーはある。数字の行間をみる。そのデータの裏には様々な意味があり、ストーリーがある。

 

5)クライアントに、近づいて、近づいて、近づきまくる!時にクライアント本人よりも、クライアントのことを知っている「他者」になる。

 

6)「言葉」を大切にする。キーワードを鵜呑みにしない、かっこいい言葉に流されない。それはどういう意味なのか、どういう意図で言っているのか。そこを洗い出していくと、その言葉を発した人の「価値観」が覗くときがある。

 

7)ブランド戦略は、アムのプロジェクトだけで完結しない。従業員ひとりひとり、ツールひとつひとつにまで浸透して初めて、ブランド戦略がうまくいったと言えるし、

というか、ずーっと、完結することはないのかもしれない。アムは、最初のブースト。ブランド戦略が徹底するまでの経営陣の揺るぎない意志を創出すること。

 

8)明確なブランドは、その会社で働く人を幸せにする。言動に不一致がおこらない

 

9)そして、その会社の「爪の先一本からにじみ出る価値観」に共感する人が、その会社のサービスを買っていく。それは単なるお客さんじゃなく、「ファン」の集まりだ。ファンは会社を大切にし、会社はファンを大切にする。

 

以上。

 

 2013年も、有難うございました。さっちんは、D×Pで楽しく仕事しています!みなさまと、いっしょに仕事ができたら嬉しいです。来年もどうぞよろしくお願い致します。

 

31,December,2013
Sachi IRITANI
通信制高校生へのキャリア教育を展開するNPO法人D×P(ディーピー)の広報・ファンドレイジング部長。在学中に、NPO法人フローレンスでインターンしたり、児童養護施設の子ども向けの塾講師をしたり、高校生向けの授業「仕事の学校」を運営させてもらったり。大学卒業後、ブランド戦略・広報戦略コンサルの会社で色々とイチから叩きこまれ、2013年9月から現職。最近、「広報番長」と呼ばれます。 しごとおもしろいです。 2011年出産/2012年京都へ/空手とヨガ

twitter: @sachiiritani
facebook: sachi.iritani