sachi LOG

認定NPO法人D×P(ディーピー)で広報・マーケ・ファンドレイジングをやりつつ、オカン業もやっている入谷佐知の日々のログです。ブランド経営コンサルタントの師匠の元で修行したのち、現職。

本当の意味で、オルタナティブな場とすること

以前、大津の中学生がいじめによると思われる自殺をしたという事件がありました。

それに寄せて、朝日新聞で、漫画家の西原理恵子さんの「いじめられている君へ」

という文章が掲載されました。

 

※話題になったメッセージなので既にお読みになられた方も多いと思いますが

未読の方はぜひ全文を読んでみて下さい。(以下は抜粋です)

 

学校は、いじめられてつらい思いをしてまで行くようなところじゃない。

長い夏休みだと思って、欠席してください。

そして、16歳まで生き延びてください。 

 

 高校生になれば、通信制(つうしんせい)高校やフリースクール

いわゆる大検(だいけん)など選択肢(せんたくし)が広がります。 

何よりもアルバイトができる。お金をもらいながら、

社会人にふさわしい訓練(くんれん)を受けられます。 

お金を稼(かせ)ぐということは自由を手に入れるということ。

その先に「ああ、生きててよかった」と思える社会が必ず待っています。

 

 

この言葉には、私は本当に心が動かされました。

そもそも16にならないと選択肢が広がらないということ自体が

間違っているという批判もあったようですが、

いま、まさに学校という場で苦しむ彼や彼女当人が、

「今日自殺しないことを決意できるメッセージ」が込められていました。

 

世の中は広い。

あなたを受け入れてくれる場は世の中に必ずあるよと、

そう伝えるものでした。

 

 

私は、この西原さんの言葉を、ホンモノにしたいなと強く思いました。

どういう意味かというと、事例としてトップに掲げている通信制高校では、

実際のところ、卒業生の2人に1人が「進路未決定」のまま卒業します。

進学先も就職先も決まらないまま卒業するということです。

定時制高校でも卒業生の3割が進路未決定者です。

一方、全日制高校卒業生の進路未決定者は全体の1割以下。

 

オルタナティブな選択肢として、通信制高校を選んでも、

その卒業生の半数が、どこにも所属が決まらないまま社会に落とされていく。

 

西原さんの言葉をホンモノにするとはどういうことか。

本当に、通信制高校、サポート校、定時制高校などから

卒業した人が活躍できるようにするということです。

 

変な言い方をすると、「一般的なメインルートから外れても、

社会で楽しく生きていくことはできる」ということを見せることです。

それをして初めて、「高校生になれば選択肢が広がる」と言い切ることができます。

メインルートから外れた先のオルタナティブな道筋(モデル)があるかないかで、

そのひとが人生に絶望するか否かも決まるのではないか、と思います。

 

私が西原さんの上記のメッセージを読んだのは、

実際に朝日新聞に掲載された2012年8月からかなり出遅れての2012年12月。

そして時を同じくして、NPO法人D×P(ディーピー)の存在を知り、

上記の通信制高校卒業生の半数が進路未決定のまま卒業するという事実を知りました。

その1ヶ月後の2013年2月、D×Pの共同代表の今井に出会いました。

それから約半年後、D×Pで働くようになりました。

 

『「ああ、生きててよかった」と思える社会が必ず待っています。』

そう言いきれる大人であり、そう言い切れる社会でありたい、と思う。

あのメッセージを読んで強く感じたその想いが、

いまだにゆらゆらと私の心に残っています。

 

私がD×PにINした理由のひとつは、西原さんでした、というお話。

(ちなみに、彼女の漫画『毎日かあさん』と『生きる悪知恵』はオススメ本です、はいw)

 

生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)

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よりぬき毎日かあさん

よりぬき毎日かあさん